本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

第020感 豊川一夏 著 『あの夏で待ってる1』・・・1度きりの、あの夏。

本書はアニメ『あの夏で待ってる』のノベライズで、著者である豊川一夏氏の処女作です。 テーマは王道のボーイミーツガール。そして、ヒロインの貴月イチカは宇宙人。頭の中にある「イメージ」を探して地球まで来て、高校3年生として小諸学園に転入します。1…

第019話 喜多喜久 著 『ラブ・ケミストリー』・・・全合成がしたくなーる

今回はSFでラノベでミステリーで有機化学で、そしてラブコメな『ラブ・ケミストリー』です。 主人公は有機化合物の構造式を見ただけで最適な合成ルートが頭に浮かぶという特殊能力を持つ、有機化学を専攻する東大院生の藤村桂一郎。有機化学の歴史を大きく動…

第018感 岡田磨里 著 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(下)』・・・いつまでだって、なかよしなんだ

実に1年間、発売まで待ちました。とっても長かった気がします。 上巻に引き続いて、下巻である本書が最終巻です。 本書ではアニメと異なる最後を迎えますが、どちらがのエンディングが良いかと訊かれても答えに詰まります。アニメでは勢いよく流れのままに…

第017感 岡田磨里 著 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上)』・・・夏の獣<ノケモノ>

本書は、2011年にフジテレビの「ノイタミナ」枠で放送されていた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』というアニメのノベライズです。 上下巻で分かれていて、今回はその上巻です。 怖いものなしの「超平和バスターズ」のメンバー5人が、6人目の「…

第016感 綾辻行人 著 『水車館の殺人』・・・「館」シリーズ第二弾!

本書は、『十角館の殺人』に続く「館」シリーズの第二作目です。 舞台は嵐に襲われた館。三連水車の廻る動力で電力を得る孤立した環境。登場するのは、仮面をつけた水車館の当主、<塔の部屋>で孤独に暮らす美少女、執事と家政婦、水車館に飾られている絵画…

第015感 西成活裕 著 『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』・・・車間距離は40m以上でお願いします。

本書はズバリ、私たちが日々悩まされている渋滞ついて考える本です。 渋滞と聞いてパッと思いつくのが、ゴールデンウィークやお盆で体感することの多い道路の渋滞です。しかし、車以外にも渋滞は存在しています。人、インターネット、血液や在庫の流れにも渋…

第014感 ヒロ前田 著 『TOEICテスト究極の模試600問』・・・3回分の模試でTOEICへ挑戦!

日本における英語教育の重要性が増していくにつれて、TOEICを昇進やクラス分けに利用する会社や学校が増えています。 TOEICとはリスニングセクションとリーディングセクションからなり、それぞれ5~495点で評価される英語のマークシート形式のテストのことで…

第013感 河合秀和 著 『比較政治・入門』・・・8つの政治制度の成立

世界の政治制度を知り、その違いを比較することができることは、現代のグローバル社会において重要な知識なのではないでしょうか。 本書は、序章「新しい世紀の門口に立って」からはじまり、 比較政治とは何か 比較の枠組み イギリス アメリカ フランス ドイ…

第012感 バンダイビジュアル 著 『TIGER & BUNNY KING OF WORKS』・・・ワイルドだろぉ~?

『TIGER & BUNNY』というサンライズ制作によるアニメ作品の設定資料集です。2011年4月から9月まで放送されていました。 近未来の都市を舞台に、特殊能力をもつ「NEXT」とよばれる人たちがヒーローとして活躍します。彼らは実在する企業―Amazonや牛角など―の…

第011感 養老孟司ら 著 『環境を知るとはどういうことか』・・・流域から考える

本書は、かの有名な養老孟司先生と、環境保全活動をされている岸由二先生の対談をまとめたものです。章立ては以下の通りで、 1、五月の小網代を歩く 2、小網代はこうして守られた 3、流域から考える 4、日本人の流域思考 5、流域思考が世界を救う 6、…

第010感 園池公毅 著 『光合成とはなにか』・・・植物のふしぎ!

光合成は小学校の生活科の時間や理科の時間でだけ習うものだと思っている方も多いのではないでしょうか。中学校の理科では、「水と二酸化炭素と太陽光で光合成が起こります」とだけ教えられ、その詳しいメカニズムはほとんど教えられませんでした。私も高校3…

第009感 賀東招二 著『コップクラフト3』・・・シリアスしてます

『コップクラフト』シリーズも、はや3巻目。シリアスが前面に押し出された内容です。本書表紙に載っているティラナの制服コスが示す通り、今回はティラナが高校生として潜入するおはなし。結末は挿絵を観てしまえば分かってしまうのですが、ネタバレしても…

第008感 J.P.マッケボイら 著 『マンガ量子論入門―だれでもわかる現代物理』・・・絵が多くていい感じ

本書は自然科学分野を取り扱うブルーバックスの出版です。現代物理の要である量子論を扱っています。著者はJ.P.マッケボイとオスカー・マケッティの両氏で、治部眞里氏が翻訳をされています。 量子論というと、 アインシュタインの光電効果 ハイゼンベルクの…

第007感 伊藤計劃 著 『ハーモニー』・・・ハーモニーの意味とは?

<etml.lang=ja> <body> これは <list:item> <i:御冷ミァハの> <i:零下堂キアンの> <i:霧慧トァンの> 物語で、 <i:世界中に核が落ちて> <i:世界中でガンや白血病が蔓延して> <i:世界中が健康に敏感になった> 世界です。 </list> <explanation> 世界のほとんどすべての「…</explanation>

第006感 綾辻行人 著 『十角館の殺人』・・・孤島ミステリ!

今回は『館シリーズ』でベストセラーを続けている綾辻行人氏の『十角館の殺人』です。小題にもある通り、孤島で起こる殺人事件を巡っての読者vs作者のミステリ勝負です。 なぜ本書を読もうと思ったかというと、PS1で発売された『ナイトメア・プロジェクト YA…

第005感 円城塔 著 『Self-Reference ENGINE』・・・確かに存在して、確かに何もなかった。

本書は著者、円城塔氏の処女作です。第7回小松左京賞の最終候補作品で、文庫化に当たって2短編が追加されていて、計22短編で構成されています。とっても難解でした。 まずは著者の紹介から。 東北大学理学部物理第二学科を卒業、東京大学大学院総合文化研究…

第004感 伊藤計劃 著 『虐殺器官』・・・ドミノピザの不変性

私のフェイバリットである『虐殺器官』がいよいよ、というより、もう登場。この文をまとめるにあたってまた読んでしまいました。月初めに読んだはずなのに・・・・・・ "泥に深く穿たれたトラックの轍(わだち)に、小さな女の子が顔を突っ込んでいるのが見…

第003感 賀東招二 著 『コップクラフト2』・・・ようこそ、『夢の街』へ。

続いての感想も『コップクラフト』シリーズ。 今回は「50分ドラマ」2本立ての内容です! ちょうど2時間くらいで読み終わるようにすると、本当に海外ドラマを観ているような感じになりました。コマーシャルを挟んでほしいくらい。これから読む方は、この…

第002感 賀東招二 著 『コップクラフト1』・・・ハードボイルド!

早速2冊目の感想です。 本書は『フルメタル・パニック!』シリーズで有名な賀東招二氏の作品です。 ライトノベルというと、いわゆる美少女が何人も登場し、自称平凡な男子校生のまわりでキャッキャウフフな展開が起こるものだと思っていませんか? このシリ…

第001感 伊藤計劃 著 『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』・・・「物語」とはなにか

初めてのブログ且つ読書感想なので至らないことがあるかもしれませんが、長い目で温かく見守っていただけるとありがたいです。 ということで、本書の説明から始めます。 本書はPS3ゲーム『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のノベライズ…

このブログのこと

初めまして、siesta410と申します。 読書が人生の糧となることはわかっていたつもりでしたが、いざ読むとなると長続きしません。 そこで、私が読んだ本の感想をこのブログに記録していき読書習慣を身に着けるとともに、自分自身ひいてはこのブログを読んでく…