本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

第008感 J.P.マッケボイら 著 『マンガ量子論入門―だれでもわかる現代物理』・・・絵が多くていい感じ

本書は自然科学分野を取り扱うブルーバックスの出版です。現代物理の要である量子論を扱っています。著者はJ.P.マッケボイとオスカー・マケッティの両氏で、治部眞里氏が翻訳をされています。

 

量子論というと、

等々がすぐに浮かんできます。電子のスピンは磁性と関係があったり、壁の向こうへ通り抜けられる可能性があったり・・・。ガンダムが量子化したこともありましたね。

 

どうにも難しい量子学を、パウリやボーアなどの有名な科学者の似顔絵を随所に盛り込んで、過去の実験を図解して出来るだけわかりやすく説明してあります。古典物理と現代物理の違い、科学者の苦悩、方程式の解説などが1つひとつトピックスに分かれていて読み進めやすいです。

 

科学者の似顔絵に味があるのはいいのですが、「シュレーディンガーの猫箱」の猫にかわいらしさが欠片も見受けられなかったのは少し残念でした。とはいえ、シュレーディンガーと比べたらインパクトは小さいです。さすがシュレーディンガー! 実際に見ていただいたほうがわかりやすいと思うので、書店のブルーバックスコーナーでパラパラめくってみて下さい。すぐにシュレーディンガーが見つかると思います。ちなみに、何年か前に読んだ竹内薫先生の『ねこ耳少女の量子論~萌える最新物理学~ 』はタイトル通りの内容とイラストでした!(←Amazonリンクです)

 

私は第1刷を購入しましたが、文章レイアウトのミスなのか、文が途中で切れてしまっている箇所がありました。その後、ほかの書店で最近刷られたものを読んだところ該当箇所は修正されていました。ミスはしょうがないですが、このような本では読者からの意見などでよりわかりやすい表現になったり、出版のミスが指摘されて直されたり、といったことがあると思います。なので、できるだけ最近に刷られた本を選んで買うほうが良いのではないでしょうか。でも、初版を買うのが良いと感じてしまうお年頃な私です。

 

知的好奇心を刺激される一冊です!