本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

第025感 川原礫 著 『ソードアート・オンライン2 アインクラッド』・・・4人の生きた物語

ソードアート・オンライン』シリーズ2作目の本書ですが、本編ストーリーの展開には関係ありません。SAOに閉じ込められた4人の少女たちが、主人公であるキリトと出会う物語です。

 

  • 黒の剣士
  • 心の温度
  • 朝霧の少女
  • 赤鼻のトナカイ

という4つの章に分かれています。1巻でキリトが「ギルドを全滅させたことがある」と話していたことがありましたが、その一節も描かれています。HPがなくなることが現実世界での死を意味するこの世界でも、懸命にゲームを楽しもうとする彼女たちがとてもカッコいい。

 

 

 

本書のおすすめポイントはイラストです。1巻目から思っていたのですが、本シリーズのイラストレーターである、abecさんは絵の使い分けが上手です。表紙から続く数ページのカラー絵は、まるでアニメの次回予告かのようにハッキリと描かれています。また、キリトがソードスキルを発動してみせるときの絵はスピード感があり、最後の挿絵は悲壮感漂わせる文章とよく合ったタッチとなっています。

 

 

アニメとほとんど同じ展開で進んでいく本書ですが、鍛冶屋のリズベットが登場する『心の温度』では「アニメの先」が描かれています。ゲームが終了するときのリズの心情が描かれていたり、キリトが自身しか持たないユニークスキルをリズの前で披露するシーンが前述した挿絵とともに描かれていたりします。

 

 

また、4人の少女たちだけではなく、他にもSAOで生きる目的を見つけた人たちが登場します。教会でSAOに閉じ込められた子供たちのお世話をする女性、現実世界の友人たちでギルドを組んでギルドホームを買うことが夢になったプレイヤー達。みんながみんな、SAOでの現実を受け入れて一生懸命に生きようとしています。

やっぱり、こんなゲームがしてみたいな。

 

私はリズベット推しです。