本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

第009感 賀東招二 著『コップクラフト3』・・・シリアスしてます

コップクラフト』シリーズも、はや3巻目。シリアスが前面に押し出された内容です。本書表紙に載っているティラナの制服コスが示す通り、今回はティラナが高校生として潜入するおはなし。結末は挿絵を観てしまえば分かってしまうのですが、ネタバレしても楽しめる作品なのかな、と思います。ネタバレには注意しますが。

 

ティラナが潜入する学校は、お金持ちが集まる進学校。高級車で通学する生徒もいるほど。学校内で起こった事件は麻薬がらみ。薬物中毒で死亡した女子生徒ノルネの真相を調査するのが今回の大筋。ナイアスという、潜入先のシャーウッド高校に通う男子生徒が、ティラナと同じセマーニ人だとわかり、2人は仲良くなる。そして、ナイアスはノルネとも友達で、ティラナはそこから調査を開始するが・・・?

 

200余ページからなる本書ですが、最後の100ページはほとんどすべてがシリアス展開です。冒頭に風紀班の仲間たちがティラナに制服以外のコスチュームを着させたり、潜入するティラナの頑張りが面白かったりと、コメディ要素はあります。しかし、本書で見どころなのはやはり、最後の場面。男子学生ナイアスとティラナの関係の結末。ノルネの死の真相。あまりの展開の速さと急転さに少し驚きましたが、今までの穏やかな展開からの大きな動きが良かったです。

 

 そして、今回も忘れてはならないのが著者、賀東招二氏の”ボーナストラック””あとがき”。ティラナ役のイリーナがぶっ飛んでます。いいね!

 

文量もちょうどいいくらいで、すっきり読み終えることができました。

 

早く4巻目が出てくれないかと願うこの頃です。