本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

<映画> 『カッコーの巣の上で』

本作は1976年に公開されたアメリカ映画です。

刑務所での強制労働から逃れるために精神障害と偽って病院へと移ったマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)が、患者の人格をも抑制させる婦長に対して反旗を翻す物語です。

 あらすじ

看護師から渡される錠剤を飲み込んだフリして吐き出し、グループセラピーの議論中にワールドシリーズを観ようと提案するなど、婦長にたいして反抗的な態度をとるマーフィー。そんな彼の姿勢に仲間たちも感化されていきます。

 

感想

徹底した管理体制を敷いた婦長と、それに抗おうとするマーフィーの二極がまずテーマとして表れていますが、最後まで観たところ単純な話ではないようです。

吃音の白人、聴覚障害をもつネイティブ・アメリカンなど、様々な人種が混じって生活している病棟。劇中ではネイティブ・アメリカンに対して差別的態度をとる人物もみられます。

また、マーフィーの行為が必ずしも正義ではないと思わせる表現があります。彼の大胆な行いは周囲の患者たちを巻き込んで、施設から逃亡してクルーザーを盗んで釣りまでします。施設の監視下に置いておくことが患者たちの尊厳を冒すとは言い切れませんが、彼らを連れて外に出ることが正しいのか、観ていて疑問に思いました。

 

ラストはとても衝撃的です。どう解釈すればよいのか、しばらくわからなくなってしまうほどでした。

 

ジャック・ニコルソン演じるマーフィーの喜怒哀楽な表情も魅力的でしたが、婦長の冷徹な眼差しも恐ろしさを覚えるものがありました。

バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役でおなじみ、クリストファー・ロイドの初出演映画でもあります。若いころの彼の演技は、みどころの一つです!!