本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

第032感 高橋昌一郎 著 『理性の限界―不可能性・不確定性・不完全性』・・・意見の決定に最良のものは存在しない。

 2012年11月01日現在で『知性の限界』、『感性の限界』とともに著されているのが本書『理性の限界』です。

 

章立てとして、

序 章:理性の限界とは何か

第一章:選択の限界

第二章:科学の限界

第三章:知識の限界

となっていて、さまざまな考えや社会的立場(大学生、会社員、カント主義者、運動選手、ロマン主義者等々)の人々が「理性の限界」をテーマとしたシンポジウムに参加するという形式で展開していきます。

 

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第031感 綾辻行人 著 『人形館の殺人』・・・今までとは違う館

著者による『館』シリーズの4作目です。

 

 

今までのシリーズでは、孤島や山奥などの外界から隔絶された世界が舞台でしたが、今回は京都府内のとある館が舞台です。"緑影荘"と名付けられたこの館には、数多くの人形がいます。それらは主人公である飛龍想一の父、高洋によってつくられ、館内にある6体の人形は「動かすな」と高洋が遺言を残して自殺したいわくつきです。6体以外の人形は高洋のアトリエに残され、廊下にのっぺらぼうの人形が6体も立っている様から、アパートの住人から人形館と呼ばれる始末。

 

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第030感 M.J.アドラー 著 『本を読む本』・・・70年以上読み継がれた読書術

 本書はアメリカで1940年に刊行されてから、世界中で読まれてきた読書術についての解説書です。

 

 

構成は4部に分けられていて、

  1. 読書の意味
  2. 分析読書――読書の第三レベル
  3. 文学の読み方
  4. 読書の最終目標

となっています。

 

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第029感 眞淳平 著 松井孝典 監修 『人類が生まれるための12の偶然』・・・宇宙ってすごいな

本書は、宇宙の誕生から人類の繁栄までの過程で起こった12の偶然を提案し、説明しています。

 

 

章立てとしては、

  1. この宇宙が誕生した不思議
  2. 生命を守り育てた太陽系
  3. 地球を変えた月
  4. 地球に起きたさまざまな偶然
  5. 不思議な液体「水」
  6. 地球の生命に起きたできごと
  7. 文明誕生を後押しした気候
  8. 人類が誕生した「偶然」について考える

となっており、1~7章で12の偶然が書かれています。

 

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第028感 竜騎士07 著 『竜騎士07インタビューズ 完全版』・・・愛がなければ視えない

 本書は同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』や『うみねこのなく頃に』で有名な竜騎士07氏のインタビュー集です。350頁超にも及ぶ対談が収録されています。

 

 

8つの章に分けられていますが、はじめの第1章だけが『ひぐらし~』で、残りの7章が『うみねこ~』の話題となっています。

 

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第027感 伊藤計劃 著 『The Indifference Engine』・・・Project Itohはまだ、終わってない。

本書は、著者が早世して未完のままとなってしまった屍者の帝国』が収録されています。

コンテンツは10個で、

で構成されています。

 

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