本えいが遅報

本と映画の感想ブログ

<映画> 『カッコーの巣の上で』

本作は1976年に公開されたアメリカ映画です。

刑務所での強制労働から逃れるために精神障害と偽って病院へと移ったマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)が、患者の人格をも抑制させる婦長に対して反旗を翻す物語です。

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<新書> 福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』

「読みはじめたら止まらない 極上の科学ミステリー 生命とは何か?」

帯に書かれたこんな文句に惹かれて本書を手に取りました。

 

いつ読もうかと思いながら今まで積んでいたのですが、STAP細胞で世間が騒いでいるのでこの機会にと読み進めていきました。

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<小説感想> 長谷敏司 『メタルギア ソリッド スネークイーター 』

本書は小島プロダクションが制作しているゲームの『メタルギアソリッド』シリーズ第3弾をノベライズしたものです。

 

 舞台は冷戦下のソ連。シャゴホットと呼ばれる核搭載型戦車を開発させられている技術者をアメリカ側に奪還する任務を負ったスネーク。帰路の橋で彼を待ち受けていたのは師匠のザ・ボスであった。ソ連へ亡命した彼女を抹殺する任務を受けたスネークは、彼女が率いるコブラ部隊を相手にしながらソ連のなかを潜入していく。

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第035感 桜坂洋 著 『All You Need Is Kill』・・・クソったれなこの世界

今回はアニメ化もされた『よくわかる現代魔法』シリーズの著者の新作ループモノです。ハリウッドがトム・クルーズを主役に映画化を決定しました。

 

 

初陣であっけなくギタイに殺されたキリヤ・ケイジは、その前日に目を覚ます。はじめて味わった死の恐怖を感じながらの二戦目でもあっけなく殺されて、彼はその前日に目を覚ます。謎の敵であるギタイとの戦いに勝利するために、マッチョな鬼軍曹からトレーニングを受けその翌日にギタイから殺され、実戦でギタイの動きを見極めようとしてギタイから殺され、そうして命を落とすたびにループする世界。このループから抜け出すために、そして、生き残るためにキリヤは戦う技術を高めていきます。

 

 

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第034感 綾辻行人 著 『時計館の殺人 下』・・・たっぷり読み応えのある作品

上下巻で分かれた『時計館の殺人』の下巻です。「第45回日本推理作家協会賞」を受賞した本作ですが、確かにこれは面白い。

 

 

犯行に使われたトリックで一番かなめのものが、種明かしをした後でさらに重要な要素になっていました。著者の良さは、単なるトリックの奇抜さや目新しさなどではなく、描写の丁寧さ綺麗さにあるんではないかと思います。

 

 

今回はかなりの人数が命を落としてしまうのですが、犯人がその殺しをするに至った動機が興味深いです。ある者は本来の目的から、ある者はとっさの思い付きから殺害されてしまいます。

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第033感 綾辻行人 著 『時計館の殺人 上』・・・針のない時計塔と108個の時計館

本作品は、綾辻行人氏による『館シリーズ』の5作目です。700ページ超にも渡る長編のため、新装改訂版となるに際して 上下巻と分冊されました。

 

 

舞台となるのは題名通り時計館です。108個もの時計が動き続ける中で事件の起こる<旧館>と、その数年後に建てられた<新館>の2箇所で話が進んでいきます。

 

主な登場人物は、<新館>で調査を進める鹿谷門実と、<旧館>で『十角館の殺人』中で鹿谷と懇意になった江南孝明。<旧館>で某大学超常現象研究会の学生たちと共に3日間、時計館でうわさされる少女の亡霊を調査するうちに殺人事件が起こります。

 

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