<映画感想> 『真実の行方』
リチャード・ギア演じる敏腕弁護士マーティンが、大司祭惨殺の容疑をかけられた青年アーロン(エドワード・ノートン)を弁護する物語です。
あらすじ
おどおどした様子のアーロンを裁判で無実にするためには、大司祭とアーロン以外の第三者が事件現場にいたことを証明しなければならない。アーロンの聖歌隊仲間のひとりが弁護士マーティンの目に留まる。アーロンが現場で気絶していたときの記憶を呼び起こすために精神科医の検診を受けると、二重人格の疑いが出てきてマーティンの思惑は崩れていきます。犯人は誰なのか、アーロンは無罪で終わるのか。
感想
本作は容疑者マーティン役のエドワード・ノートンの演技が際立っていました。アーロンの二重人格であるロイへと移る瞬間の表情の変化が素晴らしい。おびえたアーロンと、それに対立するかのように凶暴なロイ。ふたりの演じ分けが目や口元、声からしてよくできていました。リチャード・ギアの役を喰ってしまいかねないノートンの演技は、ラストでふたりが会話するシーンで最高潮になっていたと思います。
ストーリーとしては、二重人格ものにありがちな展開でした。最後のどんでん返しも、たぶんこうなるんだろうなと観ていて的中してしまいました。1993年出版の米国小説が原作なので、どうしても古っぽさは感じられます。
とはいっても、ストーリーの古臭さを補って余りあるノートンとリチャード・ギアの演技が見ものです。また、本作でノートンはアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。